インターネットミームとは何か?アメリカの学生に聞いて分かった3つのこと
どうもこんにちは。管理人のケシトリです。
皆さんは「インターネットミーム」という言葉をご存知でしょうか?本サイトが取り扱うメインテーマではありますが、初めて見る方にとってはよく分からない言葉かと思われます。
そこで今回はインターネットミーム(Meme)そのものについて、アメリカの学生と話す機会があったので、現地でのお話をインタビュー形式でまとめてみました。
登場人物
ケシトリ:このサイトの管理人。重度の海外ミームオタク。一番好きなミームはSweaty Speedrunner。
Collinくん:今回のゲスト。ペンシルバニア州に住む、日本語を勉強中の大学生。好きなアニメはジョジョの第5部。
インターネットミームとは?
ケシトリ:本日はペンシルバニア州に住む大学生、Collinくんに来ていただきました。よろしくお願いします!まずは簡単な自己紹介からお願いしても良いですか?
Collin:オッケー!僕は生まれも育ちもペンシルバニア州で、今は日本語とサイバーセキュリティについて学んでる大学生だよ。今日はよろしく!
ケシトリ:ありがとうございます。では早速なんだけど、CollinはMemeって知ってる???
Collin:もちろん知ってるよ。僕の父さんも知ってるし、アメリカじゃ知らないって人はほぼいないと思う。でも流石に年配の人は知らないかもね。ウチのおばあちゃんは「パソコンって何?」って感じだし。笑
ケシトリ:お父さんも知ってるって意外!アメリカだとかなりメジャーなんですね。そしたらそのMemeについて、もう少し詳しく聞いても良いですか?
Collin:オーケー。じゃあまずMemeについて説明するために、僕なりに重要だと思ったイベントをまとめてきたんだ。ちょっとこれを見てみて。
1976:「利己的な遺伝子」発表、Memeの誕生
1990:Internet Memeの出現
2005:YouTubeの登場
2010:Pranking、ハーレムシェイクの流行
2014-2017:Dark humor YouTuberの登場
~2021:Reaction images、relatable statement, shitpostsとしてのMeme
※Collinくんの資料を基に作成
ケシトリ:何だか色々な出来事がありますね…
Collin:僕なりの見解も入ってるけど、まずはMemeの歴史についてサラッと解説するね。もともとMemeという言葉は、生物学者のリチャード・ドーキンスが作った造語で「模倣子」って意味なんだ。生物学の用語だから、本来はインターネットと関係のある言葉では無かったんだ。
Collin:生物学的な遺伝情報の単位は「Gene(遺伝子)」っていうけど、ドーキンスは「人間は身体的な特徴以外も受け継ぐよね」ってことで、アイデアや慣習とかの文化的な情報の単位を「Meme(模倣子)」と定義したんだとさ。ここはあんまり深く考えないで、Memeには模倣って意味合いがあることだけ押さえておけば大丈夫だね。
Collin:そこからインターネットが90年代に発達する中で、Memeという言葉は「ネット上で広がるネタ動画や画像」に対して使われるようになったんだ。起源は不明だけど、これはネット上で流行る=模倣されて広がる=Memeってイメージがあったからだと思うよ。この動きがより活発になったのは、YouTubeが登場した2005年辺りからかな。下の写真がその例なんだけど、何か知ってる?
ケシトリ:右と真ん中は見たことあるんだけど、左のMemeは始めて見ました…
Collin:僕が小学1年ぐらいの時だったかな。2006年頃に流行ったDramatic Chipmunk(ドラマチックなシマリス)って呼ばれるMemeだよ。ちなみに右はTrollfaceで、真ん中はFuturama Fry。この二つは今でも時々見かけるね。
ケシトリ:なるほど。古いMemeでも未だに人気なものがあるんですね。それと気になったのが…下のDO NOT CLICK THIS LINKって何ですかね…?
Collin:おや、気づいてしまったようだね…?(ポチッ)
\ テ~レ~♪ テ~レ~♪ /
ケシトリ:で、出た~~~~~~!!リックロールじゃないですかヤダー!!!
Collin:あ、知ってた?(笑)これは本当に有名なMemeだよね。僕も未だにやられるよコレ。
Collin:話を戻すと、こういったMemeが大衆化したのは2010年頃からだと思うんだ。Rickrollもそうだけど、Planking(死体ごっこ)やハーレムシェイクも凄いブームになって、ニュースでもMemeとして取り上げられていたからね。
ケシトリ:ハーレムシェイクは日本でもニュースになっていました。ちょっと懐かしさがあります。あと生みの親であるPinkguyって、海外では有名なFilthy Frankですよね?
Collin:その通り!Filthy Frankに加えて、IDubbbz, Maxmoefoeの二人も歴史的人物だと思うよ。彼らは2014年~2017年の間に活躍したYouTuberで、ダークユーモアを中心とした動画を作っていたんだ。それまでのYouTuberとは正反対なカウンターカルチャー的コンテンツだったから、登場時の衝撃は凄かったんだ。今はもう消されちゃったけど、Hair Cakeは中でも傑作だったね。
ケシトリ:あ、知ってます。IDubbbzの髪の毛をケーキにして食べるヤツですよね。あれはトラウマモンですよホント…
Collin:確かにヤバい人たちではあるけど、彼らはカルト的な人気があったし、似たようなユーモアは今も使われているんだ。だからある意味ではMeme文化に多大な影響を与えた、偉大な人物だと思うよ。(笑)
インターネットミームの例
ケシトリ:大体とMemeのイメージがつかめてきたぞ…でもアメリカのインターネットミームって、具体的にはどういった特徴があるんですか?
Collin:今日で主流のMemeはReaction images, relatable statements, and shitposts(リアクション画像、あるあるな意見、クソ投稿)であることが多いね。あと、Memeは一時的な人気を過ぎると、大体1か月ぐらいで消滅するのも特徴だと思うよ。
ケシトリ:なるほど…流行り廃りが激しい部分とか、画像に文字を入れたりとか、日本のミームと似ている部分があります。ところで、今言っていたShitpostsって何ですか?
Collin:Shitpostsとは「脈絡のない、ランダムに歪んだ画像や音に基づいたユーモア」で構成されるMemeのことなんだ。Meme史の中では最近誕生したジャンルだと思うよ。
Collin:例えば“Lord Marquaad E"ってMeme(下スライド左)を見ると、YouTuberのMarkplierとLord Farquadってキャラの顔が合体して、そこにDeep-fryというフィルターがかけられて、ただ一言「E」って文字が入っているだけ。これの意味って何か分かる?
ケシトリ:何にも分からん…泣。でも意味不明過ぎて、逆に面白さを感じます…
Collin:そう、そのナンセンスなところが面白いんだよね。Eは極端な例だけど、右の「IT IS I THE CEO OF RACISM(この私が、レイシズムのCEOだ)」とかはまだ分かりやすいと思うよ。これもShitpostの一つで、さっき言ってたDark humor的要素があるね。
ケシトリ:なるほど。普通よりも過激で意味不明なMemeが、いわゆるShitpostなのかもしれませんね。
日本と海外のインターネットミーム
ケシトリ:ここまでMemeそのものについて聞いていたけど、今度は国ごとの違いについて聞いてみたいです。まず疑問に思ったのが、海外のMemeってほとんどが英語ですよね?これはアメリカのMemeだとか、これはイギリスだ!とかって分かるんですか?
Collin:国の特徴とか文化にまつわるMemeなら、「あ、これはあの国かな?」って分かるよ。例えばUpside-Down Australiaとか、オーストラリアの野生生物をネタにしたMemeとかかな。でも基本的にはMemeは全部Memeって認識だね。
画像引用:Funvizeo
Collin:あと他にはスペイン語で書かれたMemeを見たことがあるよ。Meme文化は南米にもあるっぽいから、それを見た時は南米のMemeだって分かるね。ところで、日本にはMemeってあるのかい?
ケシトリ:日本にもあります!ただ、アメリカとは少しイメージが違うかも。アメリカではネット上の面白動画・画像全般を「Meme」って呼んでいる印象だけど、僕の場合「SNS上で流行っているネタ画像・動画、MAD動画、もしくは海外ミーム」が「ミーム」という認識ですね。単なる面白動画や画像に対してはミームとは言わないと思いますし、言葉を知っている人は若い人が中心って印象です。
Collin:へー!こっちと結構認識違うんだね。ちなみにアメリカだとTwitter, Instagram, Facebook, TikTok上で主流のMemeが見られるんだ。RedditとImgurはミーム専門SNSって感じ。あと4chanはMemeが生まれる場所ではあるけど、Memeを見るために使うことは少ないかな。
ケシトリ:InstagramとFacebookでもMemeって見れるんですね!この二つは日本だとオシャレな写真が中心のSNSってイメージがあるので驚きです。日本はTwitter、YouTube、ニコニコ動画、TikTokが主流のMemeプラットフォームだと思います。
Collin:個人的なオススメはやっぱりTikTokだね。アメリカでは今一番ホットなMemeプラットフォームだと思うよ。最近だと友達が「China’s Social Credit System」ってMemeをオススメしてくれたけど、これもTikTokに載っていたヤツだね。
ケシトリ:出た!言っていいのか分からないけど…自分も好きなヤツです。(笑)
ケシトリ:そんなところで、今回はこの辺でインタビューを終えたいと思います。名残惜しいですが、色々なお話が出来て楽しかったです。Collinくん、今日はありがとうございました!
Collin:こちらこそ。またね~!
終わりに
いかかだったでしょうか?インターネットミーム自体、まだまだ謎が多いものではありますが、本記事が理解の一助となれば幸いです。
本サイトでは他にも海外のインターネットミームを解説しているので、この機会に興味を持った方は是非チェックしてみてください!
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